150年先も、
阿武隈の山とともに
1.設立趣旨
阿武隈山地に位置する地域には、人が作業しやすいなだらかな地形に広葉樹を中心とした山が広がっています。山の利用は、炭焼きからシイタケ原木へと大きく変わりましたが、変わらずに人々の暮らしを支えてきました。
一帯は、東京電力福島第一原子力発電所事故の放射能汚染により深刻な被害を受けました。私たちは、当たり前のように接していた、山の恵みのありがたさや山に支えられた暮らしの豊かさを、失うことによって改めて気がつきました。
先人が、時代の荒波を越えて山を代々守り伝えてきたように、私たちは、放射能汚染がもたらした被害に向き合いながら、豊かな山の資源を今から150年先の世代にまで手渡せるように、山の暮らしを紡いでいくことを目標にしています。
私たちは、山の暮らしをとりもどすために、「阿武隈150年の山」構想を掲げています。150年には、2つの意味が込められています。
(1)30年を半減期とする放射性セシウム137が数パーセントに減る150年先に、阿武隈地域で、山とともにある豊かな暮らしを紡いでいたいという願い。
(2)明治維新から150年を迎えた今、これまでの開発を優先した日本の地域づくりの考え方を見直し、それに頼らない新たな山の暮らしをつくり直したいという想い。
私たちは、「阿武隈150年の山」構想を実現し持続可能な地域づくりを目指すために、地域の信頼のもと住民を中心に地域の多様な主体が協働する拠点として、非営利で公益的な視点を大切に活動するあぶくま山の暮らし研究所を設立します。
特定非営利活動法人
あぶくま山の暮らし研究所 一同
2.概要
名 称 | 特定非営利活動法人あぶくま山の暮らし研究所(Abukuma Sustainable Life Institute, ASLI) |
設 立 | 2023年2月7日 登記(2023年1月27日 認証) |
代表者 | 青木 一典 |
所在地 | 〒963-4701 福島県田村市都路町古道字蒲生河原26番地1 |
連絡先 | TEL/FAX 0247-75-2055 E-MAIL contact@asli.fukushima.jp |
目 的 | 定款より (目的) 第3条 この法人は、過去と未来の山の暮らしを研究し、阿武隈山地に暮らす人々に対して、住民主体の活動に対する支援協力、地域づくりの普及啓発、人材育成などの活動を行うことで、阿武隈山地の豊かな資源および文化を継承し、放射能汚染の課題に向き合いながら、持続可能な山の暮らしの再生に寄与することを目的とする。 (特定非営利活動の種類) 第4条 この法人は、前条の目的を達成するため、次に掲げる種類の特定非営利活動を行う。 (1) 社会教育の推進を図る活動 (2) まちづくりの推進を図る活動 (3) 農村漁村又は中山間地域の振興を図る活動 (4) 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動 (5) 環境の保全を図る活動 (6) 経済活動の活性化を図る活動 (7) 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動 (8) 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動 |
事 業 | 定款より 第5条 この法人は、第3条の目的を達成するため、次の事業を行う。 (1) 住民主体の活動に対する支援・協力事業 (2) 持続可能な地域づくりの調査研究及び普及啓発事業 (3) 前各号のほか、第3条の目的を達成するために必要な事業 |
定 款 | 定款_特定非営利活動法人あぶくま山の暮らし研究所 |
3.沿革(NPO法人申請に至るまでの経過)
2017年7月 | ふくしま中央森林組合都路事業所の所長(当時)が、地域住民と有識者らとともに円卓会議を開催。 |
2019年6月 | 有志が集い、都路調査・円卓会議を再開。以後、毎月1回程度実施。 |
2020年1月 | 任意団体「あぶくま山の暮らし研究所」を設立。 |
2021年3月 | 映画上映・シンポジウム「福島原発事故10年からはじめる150年の山づくり」を開催。 |
2021年4月 | 第1回植林イベント「暮らしに根差した阿武隈150年の山づくり ―暮らしと木を考える―」を開催。 |
2022年3月 | 第2回植林イベント「暮らしに根差した阿武隈150年の山づくり ―ふるさとの森へ―」を開催。 |
2022年8月 | 設立発起人が集い、NPO法人化を正式決定。 |
2022年9月 | 設立発起人会を開催し、NPO法人化の準備を開始。 |
2022年10月 | 第1回あぶくま山のワークショップ「日本ミツバチの巣箱づくり」を開催。 |
2022年12月 | 設立総会を開催し、議案について承認され、申請に至る。 |
4.活動内容(一部抜粋)
(1)田村市集落支援設置業務委託事業
田村市集落支援員(都路地区)の受け入れ団体として、集落支援員が円滑に活動するための伴走支援を行っています。
▷田村市集落支援員(都路地区)専用ホームページ
(2)あぶくまkizuki会議
福島県田村市都路町を拠点に、主に集落単位で開催し、住民と協働して実態調査や計画策定等を行っています。
(3)暮らしに根差した阿武隈150年の山づくり
「阿武隈150年の山」構想のモデルとなる山づくりを行うことを目的に、植林イベントを開催しています。
(4)あぶくま山のワークショップ
阿武隈地域で培われてきた山の暮らしの術を次世代に継承していくためのワークショップを開催しています。
5.情報公開(報告書・決算書)
2023年3月末 | 2022(R4)年度事業報告書・決算書 |
2024年3月末 | 2023 (R5) 年度事業報告書・決算書 |